この形態に先立つベロシペード
構造を基礎として、前輪の車軸に直結されたペダル・クランクを回すことで駆動力を得る。このためペダルの一踏みで進める距離は、車輪の直径(円周)に比例
し、人間の足でクランクを回せる速さに限界がある以上、速度を上げるためには車輪の直径を大きくするのが最も簡単である。様々な直径の車輪が、乗り手の体
格に応じて、その内股の長さ目一杯の半径で作られ、大きなものでは直径が1.5メートルを超えるものもあった。そうすることで、ベロシペードとは比較にな
らないほどの大幅な高速化が可能になった。また大直径の車輪には適度な弾力があり、路面の凹凸(おうとつ)から生じる振動をやわらげる効果が得られるた
め、別名「ボーンシェーカー(骨ゆすり)」などと揶揄されたベロシペードよりも格段に乗り心地が良くなった。さらに、車輪の直径を大きくすれば、その中心にあるクランクとペダルの位置も高くなり、それに伴ってサドル (座席)の位置も高くなるため、あたかもに騎乗したかのような見晴らしの良さが得られ、これらの相乗効果によって、風を切って飛ぶように走る爽快感は格別であったと伝えられる。

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